災害時の対応と活動

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●災害時の対応

関東で直下型地震の危険性が指摘されているのは皆さんご承知の通りです。

 

もしも、関東で直下型地震が発生したらどうすればよいのか。

調布市医師会では以下について対策しています。

 

○想定

調布市が発表している、市内で震度6弱の地震が発生した時の被害想定は、人的被害として死者少数、負傷者1千人以上、帰宅困難者2万人以上、1日後の避難者3万人。建物・火災等の被害として全壊棟数約500件、出火件数少数。ライフラインの被害として停電、通信不通、ガス供給停止、上下水道断水等が挙げられています。

調布市は区部に比べ比較的危険性は低いですが、被害が起きないわけではありません。

必ず地震対策を行いましょう。

 

○調布市医師会の対応

調布市及び近隣市町村で震度6弱以上の地震が発生した場合、市長からの要請を受け直ちに対策本部を設置します。場所は市役所内を想定しておりますので、市、警察、消防など関係機関と連携をとりながら対策にあたります。

会員の医師は、市内8箇所の病院と狛江市との境界線にある慈恵医大三病院へ行き、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会並びに市職員と協力し緊急医療救護所を開設後、速やかにトリアージを開始します。

緊急医療救護所ではトリアージ並びに軽傷者の処置を行います。重・中傷者の方は、病院内で処置にあたり、災害拠点病院などへ搬送します。

大地震発生後は余震が続き、電気・水道・ガスなどライフラインの供給が途絶えることが予想されるため、クリニックにおきましては、ご自身、ご家族、スタッフや建物の安全を確認してしばらくの間閉院し、開業医は緊急医療救護所へ赴きます。

発災後72時間を目安として緊急医療救護所を開設しますので、3日間はクリニックではなくお近くの9病院へお越し下さい。

尚、72時間を過ぎ緊急医療救護所へいらっしゃる患者様が少なくなってきましたら、緊急医療救護所は閉鎖し、クリニック再開へ向け動き出し、市内の避難所を巡回予定です。

 

○トリアージ

トリアージとはフランス語で「選別」を意味します。限られた医療スタッフ、医療資材等を最大限に活用し、救助可能な傷病者を確実に救い、可能な限り多数の傷病者の治療を行うため、傷病者の緊急性や重症度に応じ治療の優先順位を決定していきます。この優先順位に従って、搬送、病院選定、治療を行います。

調布市医師会では、毎年トリアージ講習会を開催し、会員誰もがトリアージを行えるように訓練するとともに、市総合防災訓練にも参加、また年に数回緊急医療救護所開設訓練を行っています。

 

○関係機関との協力

緊急医療救護所では、調布市歯科医師会、調布市薬剤師会の先生方にもご協力頂くことになっています。また、柔道接骨師会やボランティアの方などにもご協力頂き、可能な限り治療にあたります。また、市、警察、消防、自衛隊等とも連携の強化を図っています。

 

○お願い

災害時はマニュアル通りには行かずパニックが予想されます。一人でも多くの方を救うためにも、皆様の節度ある行動をお願いいたします。

重ねて申し上げますが、地震発生後約72時間は、お近くの病院(下記参照)へお越し下さい。

 

緊急医療救護所一覧

緊急医療救護所設置場所

所在地

種別

東京慈恵会医科大学附属第三病院

狛江市和泉本町4-11-1

災害拠点病院(1)

医療法人社団桐光会 調布病院

下石原3-45-1

災害拠点連携病院(2)

医療法人社団東山会 調布東山病院

小島町2-32-17

災害拠点連携病院

医療法人社団青山会 青木病院

上石原3-33-17

災害医療支援病院(3)

医療法人社団 飯野病院

布田4-3-2

災害医療支援病院

医療法人社団大和会 多摩川病院

国領町5-31-1

災害医療支援病院

医療法人社団研精会 山田病院

東つつじケ丘2-36-1

災害医療支援病院

医療法人社団大坪会 北多摩病院

調布ケ丘4-1-1

災害医療支援病院

医療法人社団欣助会 吉祥寺病院

深大寺北町4-17-1

災害医療支援病院

(注1)災害拠点病院とは、主に重症者の収容・治療を行う病院。
(注2)災害拠点連携病院とは、主に中等症者や容体の安定した重症者の収容・治療を行う病院。
(
3)災害医療支援病院とは、主に軽症者に対する応急処置を行う病院。

 


●東日本大震災での支援活動


平成23年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災でお亡くなりになられた方々の
ご冥福をお祈り申し上げますと共に、被災された皆様とご親族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

調布市医師会では、東日本大震災の被災者の方へ様々な支援活動を行って参りました。
内容につきましては、下記の通りです。

○日本医師会災害医療チーム(JMAT)へ医療従事者を派遣

調布市医師会の会員へ被災地への派遣を公募し、延べ49名(医師20名、看護師14名、事務9名、
薬剤師4名、運動療法士1名、管理栄養士1名)の応募があり、9チームを作り
3月23日から6月19日までの間継続派遣致しました。
この派遣はあくまでもボランティアであるため、開業医は自院を休診にしての派遣であり、
交通手段、食料、宿泊先確保など自前で行いました。

○被災地への寄付

JMAT医療チームの活動費として医師会員より寄付を募ったところ、279万円が寄せられました。
こちらを活動費として使わせて頂きましたが、181万円余りが残りましたので、
今後も医療支援を表明している東京都医師会へ全額寄付を致しました。

○味の素スタジアムでの医療支援

東京都が調布市飛田給にある味の素スタジアムに被災された方々を受け入れることを発表しました。
都からの要請を受け、地元の医師会として何かお役に立つことはないかと関係機関と連携をとり、
医師会員に協力要請をし、多くの先生方よりお申し出を頂きました。
地元飛田給の医療機関には多くの方が受診されたようです。


被災地の復興はまだ先が見えず、現地の医療体制も決して充分とは言えません。
もともと医療過疎地であり、医師不足も深刻です。
調布市医師会としましても、今後もなんらかの形で被災地の復興に微力ながらお手伝いしていきます。